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ルーブルの光・黄(るーぶるのひかり・き)

    茶菓子の一つの斬新な方向性を示すものとして……この”ルーブルの光・黄”を取り上げて見たい。
    ルーブルの光・黄は、「虎屋パリ店30周年」を記念して創作された茶菓子であるが、ルーブル美術館に聳えているガラスのピラミッドを模した その四角錐の透明な質感と中に仕込まれた「黄身餡」は”玲瓏なること玉のごとき”の輝きを放っている。
    日本の茶菓子が菓子を源流として、中国の唐菓子や西洋の南蛮菓子の影響を受けつつ、現在の形にまで練り上げてきたのは言を俟たない事である。 その異国からのエッセンスや、一見妖しいとさへ思えるエネルギーを取り込んで自家薬籠中のものにしてきた”野太い生命力”を感じる所でもある。 ”ルーブルの光・黄”は、一見すると玉羹や透明な葛餅であるかの様な姿であるが、隠されたエッセンスとして「シードル」をその本体の玉に浸み込ませている。 それは茶菓子の精神でもある「五味」「五感」や、茶菓子の伝統的な製法・技法を踏襲しつつ、西洋の”光”を取り入れた新しい茶菓子としての 一つの可能性を切り拓いたのではないかと思う。
    日本の茶菓子の伝統に内在する知恵や生命力と、同じく西洋の伝統に影響を与えた“叡智のシンボル”であるピラミッドが茶菓子と言う形で統合された ”ルーブルの光・黄”は、まさに”茶菓子の金字塔”に相応しいものの一つであろうか。


    「虎屋製」